犬に関する本、犬を題材にした本は、
まだ読めない。
表紙でためらう。
杏の面影を重ねてしまう。
梅が咲き始めて、
あぁ、もうすぐ桜も咲くな、と思う。
杏と見た梅、13季節分を思い出す。
昨年の今頃、杏と歩きながら
(おまえ、ほんとに来年の今頃、いないのかよ…)
と常に思っていた。
梅の季節、桜の季節、
(これがきみが触れる最後の桜なの?)
と常に思っていた。
そう思って、歩いたあの頃から1年たった。
本当に、いない。
今も杏のリードもハーネスも、足拭きタオルも、うんち袋も、あのまま玄関にある。
食器も、1年前と同じ置き場所にある。
杏の物を片付けられていない。
ありえないけど、今杏が突然現れても、食事、寝床、散歩、すぐ対応できるよ。